車を利用していると、思わぬ事故や不注意で車をぶつけてしまうこともあります。車の修理が必要になった時、気になるのは修理費用ではないでしょうか。車を修理する際、自動車保険の保険金で修理費用を負担するという方法があります。しかし、全ての事故に対して保険金が支払われるわけではありません。そこで今回は、自動車保険の種類や内容、保険を使う際の注意点について解説していきます。
車の修理に使える保険はいくつか種類がある
車の修理に使用できる保険には、いくつか種類があります。大きく分けると、2種類の「車両保険」と1種類の「対物賠償保険」の3つに分かれます。
車両保険（一般型）
車両保険とは、補償対象が契約者自身の車になる保険です。車両保険では、事故による車の故障の補償だけではなく、衝突や接触、火災、盗難などの、偶然の事故による故障に対しても補償ができます。車両保険の中でも、更に2種類に分かれ、車両保険「一般型」は、もう一つの車両保険である「限定型」に比べ、補償の範囲が広いのが特徴です。自動車同士の接触や、単独事故、当逃げにも対応しています。
車両保険（限定型）
上記の車両保険（一般型）と同じく、自身の車が補償対象になる保険ですが、一般型との違いは補償範囲です。限定型は、一般型から「単独事故」「当逃げ」「地震・津波・噴火などの自然災害」への補償を除いたものになります。つまり車両保険（限定型）の場合、自分の不注意でガードレールや柱に車をぶつけたり、自転車との接触事故を起こしたりしても、保険金は支払われません。補償範囲が限定されている分、保険料は安くなるのが特徴です。
対物賠償保険
自身の車に対する補償が、自身に支払われる車両保険とは逆に、相手の車に損害を与えてしまった場合、相手に保険金を支払うのが対物賠償保険です。交通事故の過失は自分にあり、法律上損害賠償責任を負った場合に、保険会社を通して相手に保険金を支払う保険になります。自身の過失による事故で相手の車を激しく損傷、もしくは相手にケガを負わせてしまった場合、損害賠償額が高額になる可能性もあるため、保険金の上限は「無制限」に設定するのが一般的です。
保険を適用できない修理
突然の事故や故障に備え、幅広く対応している自動車保険ですが、保険では適用できない修理もあります。車両保険「一般型」「限定型」のタイプに関わらず、以下のような理由で生じた故障に対しては、保険金は支払われません。
・故意に起こした事故による損傷
・無免許運転、酒気帯び運転、麻薬などの影響がある状態での運転など、正常な判断ができない状態での運転時に生じた損傷
・単純な故障や経年劣化による損害
・タイヤ本体に直接生じた損傷
全ての事故による修理に対して保険金が支払われる訳ではないので、保険を使用したい時は、保険適用範囲内か、契約内容をよく確認するようにしましょう。
車の修理に保険を使う場合の注意点
車の修理に保険を使いたい場合、以下の注意点について確認し、保険を使うべきかどうか判断するようにしましょう。
等級ダウンによる翌年以降の保険料アップ
車両保険には、ノンフリート等級と呼ばれる、契約者の事故歴に応じて保険料の増額・減額を決定する仕組みがあります。年間を通して保険支払い事故を起こさなかった場合、翌年度等級が上がり、逆に保険を使用する事故を起こした場合、等級は下がります。保険料は等級が上がるほど減額され、等級が下がると増額されるため、事故により車両保険を使用すると、翌年度の等級が下がり、保険料負担が増えてしまう可能性があるのです。
事故による車の損傷度合によっては、支払われる保険金よりも、翌年度の保険料の方が高くなってしまい、結果的に損をすることもあるという訳です。車の損傷が少ない場合には、保険の使用は慎重に検討しましょう。
対物賠償保険を使う場合
先程保険を使わない方がいい場合もあることをお伝えしましたが、車同士の事故により相手に損害を与えてしまった場合には、例外になります。自身の過失により相手に対して損害賠償責任が生じると、保険会社が相手方と交渉を行い、対物賠償保険の保険金を支払うことになるのです。この時、対物賠償保険の等級は当然下がりますが、使用の有無に関わらず車両保険の等級も自動的に下がる仕組みになっています。車両保険を適用するか検討するまでも無く、等級は下がってしまいます。そのため、対物賠償保険を使う際は、支払われる保険金の大小に関わらず、車両保険も使うのがおすすめです。
まとめ
車の事故は、注意していてもいつ起こるか分からないものです。事故が起こった際、支払われる金額や補範囲は、保険の種類や契約内容により大きく異なります。状況によっては、保険を使用しない方がいい場合もありますので、契約内容を理解した上で、保険の使用を検討するようにしましょう。
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