万が一の事故や故障に備え加入する自動車保険。
その自動車保険に付帯されているのが車両保険です。
車の修理に使える保険は「車両保険」と「対物賠償保険」などです。
これは補償の対象に違いがあり、「車両保険」は自身の車に
「対物賠償保険」は相手の財産に使えます。
| 車両保険 | 対物賠償保険 |
|
・衝突して自分の車がへこんだ ・当て逃げされた ・盗難にあった |
・衝突して相手の車を壊した ・壁やガードレールにぶつかり壁等を壊した |
このように自動車保険には様々な修理に対応出来るように、加入する保険内容が分けられています。
今回は「車両保険」で自身の車を修理する場合について順を追って解説していきます。
車両保険とは
車両保険とは、自分の車が故障した時や事故の修理費用の補償、火災・盗難・当て逃げ・台風・洪水などで
生じた損害も補償される保険です。
ただし、保証の範囲が限られているものもあるので注意が必要です。
自身の加入している車両保険がどこまで対応しているのか確認をしておきましょう。
修理代の補償
保険が適用されると、修理代金が保険によりカバーされます。
代車費用の補償
契約内容にもよりますが、代車の費用も出る事があります。
レンタカーのみ代車費用が保証されたりなど、様々なパターンがあります。
レッカー移動費用の補償
こちらも契約内容によりますが、車が走行不能になった場合のレッカー移動の費用が補償されることもあります。
車両保険を使う流れ
警察へ連絡
事故や事件の場合はまず警察に連絡しましょう。
事故の場合、保険の支払い手続きをする際に事故証明書が必要となりますので
必ず警察へ連絡を入れましょう。
保険会社へ連絡
契約をしている保険会社へ連絡をしましょう。
契約の確認や、事故の状況確認があるかと思います。
今後の対応等もあるのでまずは連絡を入れておくとスムーズです。
修理の見積もりを出す
整備工場等修理をしてもらう業者から修理費用の見積もりを出してもらいましょう。
その見積もりを保険会社へ提出します。
車両保険を使う？使わない？
ここで、車両保険を使うのか、使わず自払いするのかを決めます。
自動車保険を使うと「等級」が下がります。自動車保険には保険料を決める「等級制度」があり、
等級が下がると保険料が上がってしまうので、保険会社に確認して
車の修理費用と保険料の増額分を比較し、保険を使うのか使わないのか決めると良いでしょう。
ノンフリート等級制度(等級制度)とは
自動車保険には等級制度があり、事故歴に応じた保険料の割引や割増を適用する制度です。
等級は1等級～20等級に区分され、初めは6等級から開始します。
1年間保険を使った事故がないと1つ等級が上がります。
等級が高いほど保険料の割引率が高く、等級が低いと割引率も小さくなります。
また、4等級以下は割増となります。
保険を使用する事故には、等級が3等級下がる事故・1等級下がる事故・等級が下がらないノーカウント事故に分かれます。
事故内容により等級の変化も変わるので確認が必要です。
等級が下がると事故有係数というものが適用され、同じ等級であっても事故を起こした場合と起こしていない場合では割引率が違ってきます。
このように、自動車保険を使うと事故の有無や事故内容により翌年からの保険料が上がる制度があるので
ちょっとした修理など金額があまりかからない修理をする場合は保険を使わない方がいい場合があります。
判断基準として、過失割合に基づいて自己負担する金額も踏まえ車の修理費用と
元の等級に戻るまでの保険料の増額分の差額を計算してみましょう。
こういった計算は、保険会社へ依頼すればすぐにしてもらえるので保険会社と相談しながら
判断するのがよいでしょう。
車両保険を使う場合
書類を提出
車両保険を使うことになれば、保険会社へ事故証明書や事故車両の写真、見積書などを
提出する必要があります。
また、車の写真などは保険会社と修理工場でやり取りしてもらえる事もあります。
自身が準備する必要のあるものを確認しましょう。
保険金の支払い
事故の過失割合や修理の見積もりで保険金額が決定します。
支払い内容に承諾すると通常は保険金が修理工場へ支払われます。
番外編：自賠責保険について
車には強制保険の自賠責保険に必ず加入しています。
しかしながら、自賠責保険は事故の被害者が受けた人的被害の補償のみに使える保険です。
被害者の車や、自身の車、壊してしまったものは補償されません。
被害者の怪我や、死亡した場合、ケガにより後遺症が残ってしまった場合に補償されます。
まとめ
車両保険には、保険が使えるケース、使えないケースがあったり
使った方が良かったり、使わない方がよかったりなどします。
自身の判断だけでなく、加入している保険会社と打ち合わせし最終的な判断をしましょう。
いざ事故が起こると、相手の被害だけでなく自分への被害もある場合が多くなります。
対物賠償保険だけでなく、車両保険へ加入しておくと安心です。
時々、任意保険自体への加入をされてない方もいらっしゃいますが、事故を起こし相手の車の補償に困る方も見受けられます。
今一度自動車保険を見直してみてはいかがでしょうか。
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